足利義満により創建された京都市上京区にある臨済宗相国寺派大本山の寺院、相国寺。
ここは京都五山第二位に列せられる名刹で、法堂は重要文化財に指定されています。

あまり広く知られてはいませんが、金閣寺と銀閣寺はともに相国寺の塔頭寺院です。

そんな相国寺付近に本店を構える老舗和菓子店の「京菓子司 俵屋吉富」。

相国寺と俵屋吉富の代表銘菓『復刻 京名菓 雲龍』は切っても切れない関係なのだそうです。

龍の絵に感銘を受けた老舗和菓子店の7代目

相国寺には狩野洞春によって描かれた雲龍図が所蔵されています。

この雲龍図に感銘を受けた俵屋吉富の7代目石原留治郎が創作したお菓子こそが相国寺、金閣寺、銀閣寺など多くの名刹の御用達をつとめる俵屋吉富の代表銘菓の雲龍なのです。

昭和26年に大丸京都店で行われた京菓子展示会に雲龍を出品し好評を得たころから俵屋吉富の定番商品となっていきました。

職人が一本一本丁寧に仕上げた手の込んだ和菓子

職人が一本一本丁寧に手巻きをする理由は、雲にのる龍の荘厳で雄々しい姿を表現するため。
その断面はたしかに雲に龍がのる様そのものに見えます。

大粒の丹波大納言小豆を用いた小倉餡をしっとりと仕上げた村雨餡で巻き上げたもので、その見た目に反して甘さは控えめ。日本茶はもちろんコーヒーにもよく合います。

一本に重量感があるので、来客時のお茶菓子や贈答用として使用するのもおすすめですが、自分用のおやつとして購入される方も多いそう。自分でカットすることができるので、好みの大きさや厚さを見つけてみるのもいいかもしれませんね。

狩野洞春の雲龍図に魅せられた俵屋吉富の7代目石原留治郎が苦心の末に仕上げた雲龍。

荘厳さと雄々しさが見事に表現されたこの和菓子は、当時の相国寺管長・山崎大耕老師によって雲龍と命名されました。

龍によって深く繋がれたご縁、そしてたくましく雄々しい龍の姿を心に思い浮かべながら雲龍をいただいてみる。
そんな食べ方もまた一興なのではないかなと思います。

店舗情報:京菓子司 俵屋吉富 本店
住所:京都市上京区室町通上立売上ル
電話:075-432-2211(代)
営業時間:8:00〜16:00
定休日:毎週日曜日、水曜日
HP:https://kyogashi.co.jp/sm/

商品情報:「復刻 京名菓 雲龍」本棹1,620円、半棹1,080円(いずれも税込み)
※直営店(本店、烏丸店、小川店)のみの販売となります。

賞味期限:夏季15日間、冬季25日間

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